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第49話 目覚めし力は…… ~アグリサイド~

Penulis: 光命
last update Terakhir Diperbarui: 2025-04-25 20:31:57

「危ない!」

思わず声を出し、体が反応してしまった。

気づけばマリーの前に立ち、氷壁の飛竜の攻撃を受け止めていた。

マリーはあっけにとられた顔をしている。

「うりゃーーーー」

さすがにアルゲオの攻撃は重たい。

なんとか受け止めて弾き返したが、まだ手がジンジンとする。

さて、この後どうするかな……

マリーの力はたぶんもっと凄いのだろう。

俺よりか遥かに。

ただ前にゾルダもそうだったけど、何かしらが原因で力を出し切れない状態なのだろう。

力を取り戻せるようになるまでは、俺もサポートしないと。

ゾルダに一喝されたマリーはゾルダの下へと走っていった。

涙がこぼれていたようだけど、力が出せないことがよっぽど堪えたのだろう。

考えなしにアルゲオの前に立ったけど、どうしたものかな。

さっきの感じだと、攻撃はなんとか受け止められそうだけど……

俺の力でアルゲオは倒せるだろうか……

手伝わせてよと見得を切った手前、やり切らないとな。

思わず苦笑いになる。

「おぬし、そいつを倒せるのか?

 ワシはいつでも準備万端じゃぞ」

ゾルダはニヤリと笑いながら俺に言った。

「やるだけやってみるさ」

そう言うと俺は剣を構えて、アルゲオに向かっていった。

「グォッーーーーーー」

再び吠えるアルゲオ。

そして翼を振り切ってきた。

「ガーン」

重い一手が剣を捉える。

「ぐはっ」

さっきも受けたけどかなり重いな。

アルゲオの重みが一気に乗っかってくる。

さらにアルゲオが攻撃をしかけてくる。

翼をやみくもに振り回してくるが、すべて剣で受け止める。

手数が多くてなかなかこちらからは攻撃が仕掛けられない。

「大丈夫か、おぬし

 受けてるだけでは倒せんぞ」

マリーを抱きしめながら、俺に対しては煽りをいれるゾルダ。

そんなことは俺でもわかっている。

でも受けるので手いっぱいで、反撃が出来ない。

「言われなくてもわかっているよ」

前の俺なら、この攻撃も受け止められなかったのかもしれないが、なんとか受け止められている。

そういう意味では成長出来ていると実感が出来る。

でもここでは、もう一歩先、反撃できる力が欲しい。

直接のダメージはないもののジリジリと追い詰められていく。

やっぱり俺ではダメなのか。

もっともっと強くならないと……

力が、力が欲しい……

そう強く願う。

その時だった。

剣と身に着けている兜が光だし共鳴を
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